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第374話やってみよう

過去の経験から、彼女は再び誰かを無条件に信じることが難しくなっていた。信頼を再構築するのは容易なことではなかった。

だが、最近の彼が生活の細部にまで見せる気配りは、彼女の心を動かさずにはいられなかった。

今の彼女の感情は、恐怖と、近づきたいという抗いがたい衝動が入り混じったものだった。

もし心のわずかなときめきがなければ、先ほどテントの中で彼の好きにさせることはなかっただろう。

アウレリアは、彼が自分にとって美しい芥子の花のような存在――危険でありながらも魅惑的であること――をはっきりと分かっていた。

彼女は過去の恋愛から完全に立ち直ってはいなかった。全てを吹っ切り、新たなスタートを...