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第424話

エレラー

グランピーは私が彼を見つけた夜から不機嫌になっている。彼が自分の名前を教えてくれないので、いつも「その男性」と呼ばなくてもいいように名前をつけるしかなかった。

彼の翼の治りが非常に遅く、彼の出自についての答えをより一層切実に求めている。彼はまるで解けない謎のようだ。

グランピーは私の手のひらにある雪の結晶を、読み取れない表情で見つめている。彼には私のように単純なものの美しさが見えないのだろう。でも私には彼に見せる忍耐力がある。

雪の結晶が溶け始め、彼は指先でそれに触れる。一瞬、彼は魅了されたように見える。彼が他のこと、例えば森の周りで鳥たちが歌うのを聞いたときにどう反応する...