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第300話

だから私はジェイソンがくれる薬を飲み続けるの—タイソンを愛していたことを忘れたいから。でもそうしたらスペンサーのことも忘れることになる、彼の記憶だけがこれまで私を支えてきたのに。

震える指が私の頬を撫でる。「動画の前からも許しを請いたかった」なんて嘘つき。「でも、あなたの父親がここに来て私の計画を台無しにした…。あなたをとても愛している。あなたをどれだけ傷つけたか見て、私は引き裂かれそうだ」

いいわ。彼の心が私のように百万の破片に砕け散ればいいのに。

「なんて都合がいいのかしら、真実を見た今になって私を愛するなんて。あなたが感じているのは愛じゃない。それは蜃気楼、幻想、もう存在しないもの...