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第795話もう手放したよ

アントニオの冷たい声が病室に響いた。

事情を知らない者が見れば、彼とハロルドが非常に親しい関係にあると誤解するかもしれない。

だが、アントニオの本当の目的は彼を苦しめることだった。こんなにも多くの悪事を働いた男が、ただ穏やかに死んでいくなんて許されるはずがない。

その時、助手が近づいてきた。「バレンシアさん、薬を見つけました。」

アントニオは人々に、ある薬を探すよう指示していた。注射すると幻覚を引き起こし、最も深い内なる恐怖と向き合わせ、恐ろしい記憶の中に永遠に閉じ込めるという薬だ。

この薬のことを初めて知った時、彼はこれがハロルドのために作られたものだと感じた。

「ラリー。」

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