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第658話

間違いなくハロルドの仕業だった。

ベンジャミンは足早に、公衆トイレに目を向けながら歩いた。角を曲がると、彼は石を拾い上げ、しっかりと握りしめた。

彼はそのままトイレに入った。しばらくすると、入口で足音が止まる微かな音が聞こえた。

誰も入ってこなかった。

ベンジャミンはニヤリと笑い、石を側面の窓に投げつけた。大きな音を立てて木に当たった。

案の定、ドアにいた人物はその音に反応した。

その瞬間を捉え、ベンジャミンはトイレから抜け出し、茂みに身を隠した。しばらくして、アサが慌てて戻り、トイレを確認したが誰もおらず、エレベーターを確認するために病院へと戻っていった。

エレベーターはまだ一...