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第61話

翌朝、アントニオはジェームスに連絡し、サラを警察署に連れて行くよう頼んだ。

サラはこの日をずっと待ち望んでいたが、道中少し緊張していた。

ブレイディはそこでどう過ごしているのだろう?厳しい取り調べを受けたのだろうか?誰かに嫌がらせをされてはいないだろうか?

警察署の前に到着すると、ここの空はさらに暗く感じられ、廊下は重い足音だけが響く静寂に包まれていた。建物は質素なだけでなく、空気も非常に湿っぽかった。

ブレイディがここにどれだけ長く閉じ込められていたかを考えると、サラの澄んだ美しい瞳に悔しさと涙が浮かんだ。

彼女は面会室で待っていた。

そのとき、向かいのドアがきしむ音を立てて開き...