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第40話

その夜、イーサンはブライアンに連絡し、状況を全て説明した。

「ねえ、あのX線ナノコンタクトが必要なんだ」とイーサンは言った。

事情を知っているブライアンは、まばたきひとつせずに答えた。「わかった、イーサン。計画通りにな」

「了解」とイーサンは返した。

翌朝、ジェームズはハーパーをバレンシアグループへ連れて行った。

地下駐車場に入るとすぐに、ハーパーが口を開いた。「ジェームズ、ミルクが飲みたい!」

不意を突かれたジェームズは、バックミラー越しに彼女を見た。「朝、もう飲んだじゃないか?」

ハーパーは明らかに不機嫌そうに口をとがらせた。「それがどうしたの?もっと欲しいの。今度はチョコレ...