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第239話

アントニオは話しながら、彼女の頭を優しく撫でた。

「もう子供じゃないのに。どうしてこんなものが好きだと思うの?」

彼女は手に持った糖葉と袋入りのお菓子を見て、少し困った様子だった。

「じゃあ、僕にくれよ」

彼女が気に入っていないように見えたので、アントニオは手を伸ばして渡すように促した。

しかし彼女は素早く彼の手をかわした。「一度あげたものを取り返す理由なんてないわ」

そう言うと、彼女は糖葉を一口かじり、子供の頃から大好きだった酸っぱくて甘い味を堪能した。思わず隣にいるアントニオを見つめてしまう。

いつから彼は彼女のこんな些細な好みをはっきりと覚えているようになったのだろう?彼ら...