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マインドスクランブル

ソーレン

黴の生えた重い石壁を、水がぽたぽたと滴り落ちている。点滅する蛍光灯の眩しさに目を瞬かせると、体より一足遅れて意識が追いついてきた。隣ではパットンが苦痛に呻きながら、ぜえぜえと息を切らしている。

俺の両手首は鉄の枷で縛られ、天井から伸びる鎖で頭上に吊り上げられていた。だが、背中は壁についているし、それに……座らされている。脚は前方に投げ出され、俺の太ももがパットンのそれに触れていた。

左の側頭部に走る焼けるような痛みに、俺は目を閉じた。唇を舐めると血の味がする。何か重くて鈍いもので顔の横を殴られたに違いないと気づいた。

「パット、大丈夫か?」

「わからん」と彼が呟く。「足の感覚が...