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試すべきことが1つ残っています

メーヴ

部屋の暗がりの中、私は目を瞬かせる。カーテンはまだ引かれたままだ。けれど、生地の合わせ目からは、深く黄金色に輝く陽の光が幾筋も忍び込み、もうそんな時間なのだと告げていた。もうすぐ日没。コールが時々様子を見に来てくれたのを除けば、私はほとんど一日中眠っていた。けれど今、お腹は空腹で締め付けられ、体は……なんだか妙な感じがする。

お腹を撫でてみるけれど、赤ちゃんは眠っているみたい。あの子が蹴るのが大好きな、ちょうど肋骨のすぐ下で、気持ちよさそうに丸くなって。

ドアが軋んで開く。毛布の下からひょいと顔を出すと、背の高い黒い影が部屋に足を踏み入れ、食べ物の香りをまとってやってきた。「起き...