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ショーをして

メーヴ

月昇の刻が迫り、喧騒が轟いている。私は神殿の影になった前室で待っていた。ほんの数フィート先にある重厚な扉の向こう、聖なる場所の聖域では、何百人もの人々が私の王位への即位を見届けようと集まっている。一方、反対側の数歩先、また別の扉の向こうでは、街が緊張と興奮のざわめきに包まれていた。

今朝、目を開けてから初めて一人になった。前室の奥の壁にかけられた鏡に映る私は……私ではなかった。非の打ちどころのない真紅のガウンをまとった、背の高い、すらりとした若い女が、無表情にこちらを見返している。瞼には金の粉がはたかれ、ふっくらとした唇は深く暗い赤色に彩られている。

その瞳は硬く、虚ろで――死ん...