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わたしを崇めよ

ソレン

メイヴは信じられないほどいい匂いがする。彼女の肌の匂い、微かな汗の気配、そして息を吸い込むたびに俺の身体を駆け巡り、脳を組み替えてしまうような、あのむせ返るようなマグノリアの香り。それだけじゃない。以前は気づかなかったもの――彼女の香りが、不意に強まったような感じだ。アンバーとバニラの痕跡。ムーンライズの湖を渡る、柔らかな宵のそよ風。晩秋の冷たい雨。

彼女は、喰らいたくなるほどだ。絹のように柔らかな肌。俺は彼女の肩から口を離せないでいる。再び彼女の肌に歯を軽く滑らせ、彼女を抱きしめ、彼女が横たわっている腕を曲げて首を反らし、脈が狂ったように打っている柔らかく敏感な箇所にもっと近づき...