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まったく役に立たない

メイヴ

体が振動している。仰向けに横たわっているのに、動いている……奇妙な感覚だ。目を開けると、そこは暗く見慣れない部屋で、灰色のプラスチックパネルが張られ……低い天井には取っ手が固定されている。絶え間ないガタガタという音で耳鳴りがする。ぎゅっと目を閉じ、もう一度開く。ムーンライズの、自分の部屋のベッドに戻っていると思ったのに、私は……。……くそっ。

私は起き上がり、向かいのベンチで休んでいる男の方へぐるりと向き直った。男は腕を胸の前で組み、小さな窓のそばの壁に頭をもたせかけている。窓の外には、暗く果てしない森が広がっていた。男はゆっくりと目を細める。プラスチックのバターナイフを手に持ち、...