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私を信じて

「ローガン」

俺は廊下を猛スピードで駆け抜け、狭い階段へと続く角を曲がる。その階段は船の底にある乗組員の居住区へと通じている。さらに狭い廊下を進むと、機関室が見えてくるが、俺が探しているのは機関長ではない。

一室に飛び込み、全体重をドアにぶつけると、ドアが勢いよく開く。そこには先ほどブリーの部屋で見つけた男がいた。

男は驚いて飛び上がり、寝室らしき部屋の壁に背中を押し付ける。

俺はゆっくりと後ろのドアを閉め、鍵をかける。「名前は?」

「なぜ俺がお前にそれを教えなきゃならねぇんだ?」と男は唸るように言う。

俺は寝台の一つに置かれた工具箱に目をやる。他の三つのベッドは散らかったままだ。...