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第561話

夜明けを過ぎたばかりの時間、私はレクサをスリングに入れて、もう一つの暖かい晩夏の朝に家を出る。太陽は牧草地を横切り、目の届く限りの場所に黄金の光を投げかけている。最近は背中に背負うようにしているレクサは、私の髪を手綱のように使いながら、柔らかく喃語を発している。彼女のぽっちゃりした指が、私が目覚めてすぐに何とか結んだだらしないお下げに絡まっている。私はひとりでベッドで目覚め、静かな家の中にいた。

シルバーハイドの谷から出て森へと続く道を見つめる。そこには誰もいない。オオカミたちが私の方向に向かって歩いてくることもない。私は歯を食いしばる。ここ数日間、体を覆っている身の毛もよだつような不安感が...