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第544話

死の荒野を流れる川がある。イーストニアを二分するのと同じ川だ。向こう岸では、山々が地平線を抱き、その向こうのタルシアンの景色を霞ませている。死の荒野では、川は…広いが、静かだ。平原を縫うように流れる、大きく、のろのろとした透明な水の流れだ。

ここ、ローグランドでは、かつてツインリバーズと呼ばれた都市、今はリャットとエラが若かった二十年ほど前の姿の抜け殻に過ぎない場所で、その同じ川は怒り狂い、狭く、急流と岩でいっぱいだ。

シドニーは私の隣に立ち、私が水を見つめる間—数カ所で川を渡る橋の粉々になった廃墟を見つめる間—そばにいる。

そして急流と戦うボートを。

シドニーは背筋を伸ばし、ボートの...