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第537話

過去四十八時間に起きたことは全て霞んでいる。一瞬、私はコールの散らかった寝室の床に座り、彼が僅かな持ち物を擦り切れたバックパックに詰めながら、小声で話していた。次の瞬間、彼はマントを羽織って出て行き、約九時間後、アパートのゲストルームで気絶していた私とジョージアのもとに戻ってきた。デクランがジョージアを抱き上げて部屋から連れ出した時、彼女は微動だにしなかったが、コールは優しく私を起こし、出発の時間だと告げた。

彼がどうやって私たちを教団が支配する要塞から連れ出したのか尋ねる時間はなかった。彼が私の寮の部屋から回収してくれた少しの私物は、既に車に詰められていると言った。彼は自分の香りのするパー...