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第508話

リャン

クラブは僕が思っていたものとは違う。確かに、ローグランド周辺の古い酒場や宿で自家製ビールや若いウイスキーを飲みながら騒々しい夜を過ごしたことは何度もあるけど、これは...。

「彼らは本気で道路システムを考えているのか?」僕は轟音の音楽の中で尋ねる。ダークシンセの混じった音楽は、僕の体がクレセントフォールズに戻ったかのような錯覚を起こさせる。実際は黒いベルベットと金色の装飾、そしてストロボライトの海の中心にあるムーンライズに立っているというのに。

シドニーはウイスキーカクテルを一口飲み、頷きながら群衆の向こうでダンスフロアを盛り上げているサラ、アヴィヴァ、ケナの方を目を細めて見ている。...