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第446話

時間は幻想だ。これまでの人生でこんなに眠ったことはない。

眠りの境界線をさまよいながら、私の体は弱く重く感じる。何日も続いた漆黒の、底なしの眠りに再び身を委ねることを拒んでいる。体は睡眠を求めているのに。

お茶のせいだとわかっている。そうに違いない。現実に戻ってから唯一、胃に留めておけるものだ。コゼットには大量の蜂蜜とクリームで彼女の不味い薬草の調合物を隠す癖がある。

突然の痛みが私を完全に目覚めさせる。大きなくしゃみをして目を開けると、鼻を鉄の握力で掴んでいるブレイクと顔を合わせていた。

彼は私に向かって満面の笑みを浮かべ、喜びで目を細めている。

「今、指を鼻の奥まで突っ込んだの?」私は眉を...