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第440話

サラ

凍えるほど寒い。私が制御不能に転がり落ちていくと、冷たい空気が肌に食い込み、体は岩にぶつかり氷の間を通り抜けていく。

心も心臓も粉々になっている。落下を止めようとはしない。たとえ望んだとしても、その力が残っていない。

10年間、私は自分の力を隠してきた…他にどうすればいいのか分からなかった。昔のように力をコントロールできない。どこに落ちたのかわからないけれど、シドニーの近くにいることは分かる。私が坂を転がり落ちる間も、彼の胸を引き裂くような絶望と悲しみと怒りを感じることができる。

私の頭が何か硬くて冷たいものにぶつかり、激しく揺さぶられて粗く止まる。体の半分は氷の水に浸かっている。

澄...