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第43話

イスラ

「帰りなさい、イスラ」月の女神が私に言う。「帰るのよ」

「でも、あなたと一緒に行きたいの」私は彼女に向かって浮かび続けながら反論する。

彼女は金色の巻き毛を振りながら言う。「まだ時ではないわ。あなたをここに連れてきたのは、二つのことを思い出させるためだけよ、愛しい子。一つ目は、あなたは愛されているということ。そして二つ目は…あなたが誰なのか思い出す時が来たということよ」

私は混乱して彼女を見つめる。私の頭はとにかくぼんやりしている。どうやってここに来たのか、彼女と一緒に空を浮遊しているのか、そして自分がどこにいるべきなのか思い出せない。

では、どうやって自分が誰なのか思い...