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第409話

ケナ

私は柳の木がある小さな丘を上りながら、心は粉々に砕けていた。周りの森は硬い風に呻き、今夜の冷たい天候と嵐を予告していた。それは暑さからの解放になるだろうし、先ほど両親と交わした、起きたこと、そしてこれから起きることについての生々しい会話から気をそらすことにもなるだろう。

私は幸運にも戦争の苦しみを経験したことがない。確かに、両親の統治中に小さな争いや小競り合いはあったが、これほどのものではなかった。ガブリエルが両親の玉座を奪うために戦いながら、何年もの戦闘と流血を約束するようなものは何もなかった。

彼が玉座を奪うことは決してないだろう。成功するには両王国の王族全員を倒さなければなら...