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第36話

イスラ

何かがおかしい。午後になって、私にはそれがわかる。でも、どうすればいいのかわからない。

マドックスはもう戻っているはずだと、心の中で感じている。もし遅れるなら、彼は私に伝えていただろう。何か予定外のことが起きても、ベータのセスを通して私にメッセージを送っているはずだ。

でも、ベータの事務所に行ってみると、彼は超忙しそうで、片手で何かを探し、もう片方の手でペンで何かを書きながら、肩に電話を挟んで、私の方をちらっと見る余裕もほとんどなかった。

そこに立っていることが場違いで馬鹿らしく感じ、私は後ずさり始めたが、彼は止まるよう合図した。しばらくして、彼は電話を切った。「やあ、イス...