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第326話

エラ

普段着姿のライアットを見るのは奇妙な感じだ。フェリーに乗り込んだ周囲の見知らぬ人々から視線を水面へと移す彼を見ていると、彼がここに馴染んでいないことに気づく。私たちが小島とマアトゥア間を結ぶフェリーに乗り込んでから、彼は黙ったままだ。

ほんの一瞬でいいから、彼の心の中を覗いてみたい。彼が何を考えているのか知りたい。

彼はネイビーブルーのアスレチックショートパンツを履いているが、少し短すぎて太ももの真ん中あたりまでしかなく、信じられないほど筋肉質な脚が露わになっている。日差しが頭上の少し破れたキャノピーから漏れ、彼の小麦色の肌が輝いている。そのキャノピーは太陽だけでなく雨も遮るはずの...