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第325話

「行って」とリャットが言うと、私は彼の腕から身を引く。

「少しして君を探しに行くから」と私は言う。心臓が激しく鼓動している。マディになにか異変がある。今朝は元気だったのに。

リャットは無理に笑顔を見せるが、その目の奥には私には読み取れない深い痛みが隠されている。私たちの間には言葉にされていないことがたくさんある。この狂気が始まる前、彼が戦いに向かい、私がカシアンをコーヴンに連れて行くために別々の道を進む前、彼は私が敵のために働いていると非難し、ここ、私の家族のもとに戻るよう強制しようとした。

そして彼は私の腕の中で息を引き取り、最後の言葉は「愛している」だった。私たちは壊れた関係を修復する時間...