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第320話

エラ

リャットは部屋に一歩足を踏み入れるや否や、顔から血の気が引き、目を白黒させた。

母が息を飲み、前に飛び出してリャットの倒れるのを間一髪で支えた。

「リャット!」私は悲鳴を上げ、前のめりに倒れる彼を助けようと飛び込んだ。

「女神様、エラ。彼、どれだけの体重があるの?」母は頬を膨らませ、彼を支えようと努力しながら唸った。

「リャット、しっかりして」私は母と一緒に彼を床に下ろしながら促した。廊下で彼が倒した戦士たちの何人かが立ち上がり、ドアに向かって足を引きずっていた。三人組が部屋に躓きながら入ってきたとき、私は唇を引き上げて唸り声を上げた。「出てけ!」

彼らは顔面蒼白になり、後退した。

「...