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第30話

マドックス

目を開けると太陽が昇っていて、時間を確認する。アラームが鳴る少し前に目が覚めたので、静かにアラームをオフにした。隣で眠っている美しい女性を起こす必要はない。

彼女の方に体を向けると、その姿に見とれる。彼女はしっかりと目を閉じ、長いまつげが時々震える。夢を見ているのだろうか。甘い夢であることを願う。

その夢の中に私がいることを願う。

彼女は片手を顎の下に置いて丸くなっていて、天使のような、愛らしい天使のことを思い出させる。そして彼女の柔らかな寝息を聞きながら、昨夜ついに彼女の中に入れた時の気持ちよさを思い出す。

私たちは初めて愛し合い、彼女は私に何年も経験していなかった感覚...