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第299話

エラ

世界がくるくると回転し、やがて静止した。私は息を吸い込み、目を開けた。まばたきをすると、巨大な大聖堂風のステンドグラスから差し込む真昼前の日差しが目に入る。鮮やかな紫と銀色、そして青色のガラスが光を通している。

モザイクのタイル張りの床は、多色の光が踊り、タイルと私のブーツの先端を照らして輝いている。まるで船に乗っているかのように、床が左右に揺れているような感覚があるが、すぐに体と心が同調した。視界が完全に晴れ、今立っている部屋がくっきりと見えてきたとき、私は驚きのあまり息を飲んだ。ドーム状のステンドグラスの天井は信じられないほど高く、純粋な黒曜石の尖塔と柱は、時を超えた場所から引き...