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第258話

マディ

カッシアンはバラバラだ。それしか表現のしようがない。彼の胸は切り裂かれ、彼を繋ぎとめている包帯は血で浸透している。

アイラの魔法は十分な速さで効いていない。彼女はカッシアンに覆いかぶさるように身を乗り出し、その貴重な液体の入った四つ目の小瓶を彼の乾いて割れた唇に注いでいる。涙で顔を濡らしながら。

私は畏怖の念を抱きながら、彼の脚を覆っている切り傷がゆっくりと、奇跡的に自ら縫い合わさっていくのを見つめている。

「彼女をここから出して」トリニティが私の後ろのどこかで言う。パニック発作を起こしているハンナがいる場所だ。誰か—おそらくロージー—が私の背後に来るのを感じる。彼女の肩が私の背...