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第112話

イスラ

マドックスとの別れはいつも信じられないほど辛いものだが、私たちの赤ちゃんを身ごもるにつれて、さらに難しくなってきている。

彼が私をペペロス司令官に紹介してから数日後、その琥珀色の目をした男性が、マドックスを待機している車まで見送る私たちのすぐ後ろを歩いている。

「できるだけ早く電話するよ」とアルファ・キングは、携帯電話を入れているポケットを叩きながら言う。私たちの民の間では携帯電話はあまり一般的ではなく、ほとんどの者は昔ながらの通信手段を好み、この新しい技術を必ずしも信用していないが、彼がこれほど遠くに出かけるときは、精神リンクが届かないので、私に電話できるように持っていくことを...