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第1381話お前はただの狂人だ

セシリアが依然として微動だにせず立っているのを見ても、ダリルは冷静沈着で、後続車のけたたましいクラクションや罵声にも全く動じていなかった。

それどころか、ダリルはさりげなく金色の金属製シガレットケースを取り出し、タバコを一本取り出すとライターで火をつけ、悠然と二服ほど吸ってから、タバコを持った手を車の窓から出した。

その平然とした態度にセシリアはさらに激怒したが、どうすることもできず、悔しそうに唇を噛みしめた。

この時までに、後続車のドライバーたちは我慢の限界に達していた。一人が窓から顔を出して叫んだ。「おい、動く気あんのか、ないのか?」

「ああ、少しはまともにしろよ!」

「動かない...