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第1380章ステイルメイト

フレイヤのふくよかな姿がサディアスを腕に抱いてレストランへと消えていくのを見送り、セシリアはようやく安堵の溜め息をついた。

当初、彼女はサディアスが自分にしつこくまとわりつくのではないかと心配していた。そうなれば、間違いなく出かけるのが気が重くなっただろう。

その後、セシリアはソファに座って新聞を読んでいるダリルを一瞥し、それからアザレアに視線を移した。微笑んで、彼女は尋ねた。「フィールズ夫人、最近のご気分はいかがですか?」

「いつも通りよ。生きてさえいれば、それで満足だわ」アザレアは微笑んで答えた。

アザレアの返事に、セシリアは胸に一抹の悲しみを感じた。結局のところ、アザレアは末期の...