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第1340話彼女は彼を憎む

思い返せば、セシリアはイライジャがアザレアの介添えを受けながら、サディアスにスプーンで一口ずつ食べさせていた光景を覚えていた。サディアスと彼女は片時も離れない仲だった。それなのに、ダリルはこの光景を見せつけて、自分がわざと彼を挑発しているとでも思ったのだろうか?

その考えに、セシリアは苦笑するしかなかった。なぜそんなことをする必要がある?自分に何の得があるというのか?

次の瞬間、セシリアは冷ややかに言った。「ダリル、あなたがサディアスを気にかけないのなら、他の人が気にかけるのも止めるつもり?馬鹿げているわ」

そう言って、セシリアは立ち去ろうと踵を返した。

しかし、ダリルは素早く一歩踏み出し、...