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第1332話おしっくり

ダリルはフレイヤの腕の中にいる赤ん坊をずっと快く思っていなかったが、サディアスがとんでもなく可愛いということは否定できなかった。その子は同年代の子たちより体が大きく、ぽっちゃりとした小さな手がダリルに向かって振られる様は、どこか愛嬌があった。

サディアスが可愛いのは認めるものの、ダリルはそのぽっちゃりした顔と無邪気な笑顔がことさらに腹立たしかった。

だから次の瞬間、ダリルはダグラスに言った。「とりあえず、彼らをラウンジへ」

「承知いたしました、フィールズ様」ダグラスはそう答え、フレイヤを社長室から連れ出した。

彼らが出て行くと、ダリルは革張りの椅子にどさりと身を沈め、頭の中が目まぐるし...