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第1293章無駄な努力

「うちにもこんな可愛い子がいたらいいのにねぇ」アザレアは寂しげに言った。

「お母さん、私、今夜の夕食が何か見てくるわ」セシリアはどう返事していいかわからず、そう言って素早くキッチンへ向かった。

セシリアが出ていくのを見送りながら、アザレアはにやりと笑った。

その夜、セシリアはベッドの端に腰掛け、ぼんやりとテレビを見ていた。頭の中は様々な考えで渦巻いており、画面に何が映っているのかほとんど認識していなかった。

バスルームから聞こえていたシャワーの音が突然止んだ。ダリルがシャワーを終えたのだとわかり、セシリアは彼に自分の不安を悟られないよう、気を引き締めた。

まもなく、ダリルがバスローブ...