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第1285話不孝の息子

「もう説得しようとしないで、ダリル。本当のことは分かってる――私の体はあなたに子供を授けられない。私はあなたにとって何の役にも立たないのよ」セシリアの声は言葉を重ねるごとに狂おしさを増していった。突然、世界がぐるぐると回るのを感じ、彼女は白目をむくと、横に崩れ落ちた。

何時間も歩き回り、半日もここに座り込み、何も食べていなかったのだ。失神するのは避けられなかった。

セシリアが倒れるのを見て、ダリルは眉をひそめた。彼は一歩踏み出し、彼女の体をしっかりと腕の中に受け止めた。

「セシリア? セシリア?」ダリルは必死に呼びかけたが、セシリアの目は閉じたまま、意識はなかった。

セシリアは全身の力...