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第1267話私は辞めることにした

「母さん、そういう意味じゃないんだ。どうしてそんなに大騒ぎするんだ?」ダリルは苛立った。セシリアのことになると、知っているはずの愛情深い母親はどこかへ消えてしまうかのようで、何を言っても駄目な気がした。

「まさにそういう意味でしょう」アザレアはねちねちと言い募った。

ここでアイザックが口を挟んだ。「アザレア、もうやめなさい。セシリアには仕事の状況を考える時間が必要だ。適切な後任を見つけずに辞めるわけにはいかない。彼女を急かすな」

アイザックの言葉に、アザレアはようやく黙り込んだ。

セシリアはアイザックを見上げた。彼のメッセージは明確だった。アザレアほど強引ではないにしても、彼もまたセシリアに仕...