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第1185話

ダリルの広くて力強い腕に抱かれ、セシリアはしばらく方向感覚を失っていた。

「大丈夫か?」ダリルは心配そうにセシリアを見下ろして尋ねた。

その瞬間、セシリアが一番気にしていたのは腕の中のカメラとレコーダーだった。

彼女は下を見て、機材が無事なのを確認して安心した。「よかった、機材は大丈夫」

ダリルは眉をひそめて言った。「君の安全が一番大事だ」

「でもこれは高級なプロ用機材で、私よりずっと価値があるんですよ!」セシリアは真剣に答えた。

「何も君の安全より大切なものはない」ダリルは真剣な表情でセシリアを見つめて言った。

セシリアが見上げるとダリルの誠実な目があり、思わず彼女は動揺した!...