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第1065話シジュウカラのせい

ダリルの冷たい視線がセシリアに注がれた。彼女の緊張を感じ取った彼の唇に、嘲るような笑みが浮かぶ。「こっちに来い!」

その言葉を聞いて、セシリアは仕方なくゆっくりと足を進め、ダリルから一メートルほど離れたところで立ち止まった。

彼から放たれる冷たい気配に、セシリアは思わず身を震わせた。

「こっちに来いと言っただろう!」ダリルの声が突然高まった。

セシリアは仕方なく、もう一歩前に進んだ。

すると突然、彼女の手首が彼の大きな手に掴まれ、強い力で引き寄せられた。セシリアは彼の腕の中に倒れ込んだ。

セシリアは小さく声を上げ、両手をダリルの胸に押し当てた。

彼の肌に触れた瞬間、セシリアは何か...