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第61話

エイデン

俺はリバークロー・パック領地から追い出されたことに腹を立てていた。彼らに対してではなく、自分自身に腹を立てていたんだ。レクシーにあんな風に怒鳴るべきじゃなかった。命令しようとするべきでもなかった。俺はずっと見ていたんだ。危険なんて何もなかった。狼たちは檻の中にいて出られなかった。アルファであるレクシーの後見人、ルーサーと俺が何かあった時のために傍にいた。俺はレクシーを信頼すべきだった。彼女はすべてをコントロールしていた。ただ彼女のままにしておくべきだった。彼女がやったことは素晴らしかった。でも俺はそう言わなかった。

いや、馬鹿な口を開いて、あの狼たちは殺すべきだなんて言ってしまっ...