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第119話

「大丈夫よ」と私は静かに、しかし彼女と恐らく彼女のオオカミの護衛たちにも聞こえるように十分な声で答えた。「人間から離れて、できるだけプライバシーが保てる場所を見つけて。私があなたを探すから」と彼女は言った。考えるまでもなく、彼女の頼みを実行した。エンブロースは笑いながら言った「まだつがいになってもいないのに、もう彼女の命令に従っているじゃないか」。森に近いが建物からも見える場所に落ち着いた後、私は尋ねた「あの声に同じことをしないとでも言うのか?」エンブロースは両手を上げて「いや、俺もするさ」と答えた。

足音が聞こえ、オオカミの匂いと混じったレクシの香りがした。レクシのオオカミの匂いも感じるが...