アルファの呪いー内なる敵

第91話

シーラ視点

私はガラスのような目を通してキリアンの姿を見つめていた。彼は私を腕の中に引き寄せ、恐怖が彼の表情を歪ませていた。

「ねえ、こんな状態の君を見るのは辛いよ。話は後にして、今は休みが必要だ。眠らないと」キリアンはそう言って、私をベッドに寝かせた。彼も隣に潜り込み、布団を二人の上にかけた。

私は彼の胸に頭を乗せ、彼の大きな腕が完全に私を包み込んで眠りへと誘った。疲れがいつの間にか勝ち、私は眠りに落ちていた。

闇の中で血に塗れて泣いている自分がいた。目の前で母が、あの男、ネル・リードの手によって殺されていく。彼女の血が飛び散り、凶暴な獣たちの血塗れの唇を汚していた。そして彼の暗く殺...