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第64話

シーラの視点

「ロレンツォ、どうしても助けが必要なの」私は彼がいる場所に急いで言った。彼は部屋の中央にある大きなテーブルへと私を導き、座るのを手伝ってくれた。

「具合が悪そうだね」彼は私をじっと見つめながら言った。確かに気分は良くなかった。頭の中で鳴り響く痛みに加えて、胃の中に熱が広がっていくのを感じていた。

「ただ頭が激しく痛むだけよ。でも、それが来た理由じゃないの」と私は言った。エンゾは手を引き、私の顔を包み、ゆっくりと手を私のこめかみに移動させた。私の目は彼のマゼンタ色の瞳に焦点を合わせ、ゆっくりと頭の痛みが消えていくのを感じた。彼は終わると手を離した。

「ありがとう」

「それ...