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第36話

キリアンの視点

私の唇に温かな感触が広がり、心の中で激しい火花が散った。ゆっくりと目を開けると、最初に目に入ったのは、すぐ近くにあるシーラの顔だった。彼女の温かく細い手が私の上に置かれていた。

彼女も目を開け、私たちの視線が交わった。

彼女の目は丸くなり、唇に笑みが浮かんだ。「キリアン」と彼女は優しく呼びかけ、私は周りを見回して自分の部屋にいることに気づいた。

どうやってここに来たんだ?

シアとの洞窟での記憶を最後に、何も思い出せなかった。

悪魔に支配されたことを思い出し、目を見開いたが、その後のことは何も覚えていなかった。

ドアがきしみ、モーガンが入ってきた。そばにはアレンがい...