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第166話

シーラの視点

魔女たちの詠唱が洞窟の壁に響き渡る中、私たちは儀式を続けていた。四つの不死鳥の石から放たれる力が水と混ざり合うのを感じることができた。儀式の次の段階に進む時が来たのだ。ニコライが彼の魔女団の一人に頷き、その魔女は前に進み出て、儀式専用の短剣を私に手渡した。

私はその黒い柄の短剣を受け取った。異国の言葉で詠唱を始めると、短剣に刻まれた魔法の印が輝き始めた。不死鳥の石の魔力で輝く水晶のような水のもとへ歩み寄る。

ウラジミールはまだその水の中にいた。私が鋭い刃を彼の喉元に近づけると、深い金色の瞳が細められ私を見つめていた。私は一瞬躊躇した。彼の読み取れない視線が私の目を焼くようだ...