アルファの呪いー内なる敵

第143話

シーラの視点

私は彼から、そしてその鋭い視線から更に後ずさりしながら、目を見開いた。彼の黄金色の瞳が、背筋に不穏で冷たい戦慄を走らせた。

「あなた？」彼が私を見つめ続ける中、私は息を呑んで囁いた。

彼は邪悪に笑みを浮かべ、その姿が変わった。キリアンの髪は長い金色の髪に変わり、耳の後ろから肩にかけて流れ落ち、彼の顔も変化した。

私の肺から小さな息が漏れた。いつも私の思考に忍び込んでくるあの男と、今、顔と顔を合わせて見つめていたのだ。そして長い間初めて、私は恐怖を感じた。

彼はダンスフロアの見知らぬ男だった。何らかの魔法で自分の外見を変えていたのだ。そして今、その魔法が解けて、もはや純血...