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第139話

シーラの視点

私の胸の中で心臓が高鳴り、彼の金色の瞳が言い表せない感情を湛えて私を見つめたとき、突然息ができなくなった。

ベッドの上で私は跳ね起き、寝巻の下で髪も体も汗で湿っていた。ただの夢だった。何度か深呼吸をして、胸に手を当てながら荒い息遣いを落ち着かせようとした。でも無理だった。体の震えすら抑えられなかった。それが恐怖からくるものなのか、混乱からくるものなのか、わからなかった。

ルシウスの突然の戦争以来、こういう夢を見るのは久しぶりだった。それはほぼ三週間前のことだ。私は自分の夢に呪文をかけ、そこで起きている狂気が止まるようにした。そして実際に止まった。少なくともそう思っていた。

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