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第124話

シーラの視点

私は手の中にある魔道書のページをめくっていた。これは母の魔道書で、私の家系の女性魔女たちに代々受け継がれてきたものだ。我が家では女性だけが魔女の力を持つからだ。

指先でページの言葉をなぞりながら、文字を読み進めていく。私は母の屋敷の最上階にある私的な呪文の部屋で、母の遺品を調べていた。

兄たちのパックに来てからもう二日が経つ。その間、ずっとここに閉じこもり、母の日記を読んだり魔道書から呪文を練習したりしていた。母が「織り手」だったことに今さら気づいたのだ。魔女にはそれぞれ特別な魔法の才能がある。それは人によって異なる。「チャネラー」と呼ばれる魔女は、魔力を持つあらゆるものか...