彼女の無伴侶の王子

第48話

エイドリアンは丁寧に地図を折り目に沿って折り、引き出しに戻す。私は彼の腕越しに引き出しを覗き込む。「他に何か隠してるの？」

エイドリアンが身を寄せ、唇が私の耳殻に触れる。「知りたいかい？」

私の鼓動が速くなり、エイドリアンは引き出しから別の地図を取り出す。彼はそれを折ったまま机の上に置く。紙は先ほどのものより厚く、古びている。中身を見たくて指がうずうずする。

私は唇を噛み、エイドリアンが開くのを不安げに待つが、彼はしない。顔を上げると、彼は代わりに私を見つめていた。

彼の顔には面白がるような笑みが浮かんでいる。「君は知識に貪欲だね？」

そんなこと考えたこともなかった。顔が熱くなるのを...