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第45話

ハドリアン

彼女の吐息が僕を純粋な欲望の渦に引きずり込む。彼女の唇は少し開き、胸が息を吐くたびにわずかに上下する。彼女が見せる快楽のひとつひとつの動きを僕は見逃さない。「このまま続けてほしいと思っているのだろうか？」

僕は彼女から距離を置こうとしていた。ブラッドムーンまでまだ数日あるが、すでにその影響を感じている。強い狼はその到来を感じ取れる。それは僕たちの持久力、筋力、性欲を目に見えて高める。昨夜から勃起したままで、いつか自制を失うのではないかと恐れている。僕はあらゆる誘惑から自分を遠ざけようとしていた。

今から二日後、ブラッドムーンが昇る。その日、僕はこれまで以上に強くなり、同時に欲...